すすめ) 【2025年最新版】ハイエース200系ジャッキポイント完全ガイド|フロント・後ろ(リヤ)・片側・4WDの安全なジャッキアップ方法

こんにちは、ディーラー整備士のブーブーです。
この記事ではハイエースのジャッキポイントについて詳しく案内しています。
Contents
結論:ハイエース200系のジャッキポイント早見表(フロント・後ろ・片側)
先に結論からまとめると、ハイエース200系のジャッキポイントは次の位置になります。
| 場所 | ジャッキポイント | キーワードの目安 |
|---|---|---|
| フロント(前) | フロントサスペンション支持メンバー(サスペンションクロスメンバー) | 「ハイエース ジャッキポイント フロント」 |
| フロントのウマ | 前輪タイヤ後方のロッカーパネル補強部 | 車載ジャッキの指定位置と同じ |
| リヤ(後ろ)ジャッキ | デフ玉(デファレンシャルケース) | 「ハイエース ジャッキポイント 後ろ」 |
| リヤのウマ | リヤタイヤ後方のコの字型ジャッキポイント(リーフの後ろ側) | リーフの付け根にはかけない |
| 片側だけ上げたいとき | 基本は左右まとめてジャッキアップ+ウマ使用(片側だけは非推奨) | 「ジャッキポイント 片側」で不安な方向け |
| 4WD車 | 2WDと同じ位置だが、フロントクロスメンバーの幅が広くてジャッキをかけやすい | 「ハイエース 4WD ジャッキポイント フロント」 |
ここから先は、それぞれのジャッキポイントの探し方や、安全に作業するための具体的な手順を写真付きで詳しく解説していきます。
ハイエースのジャッキアップポイントは、一般的な乗用車とは構造も位置も少し違うのをご存じでしょうか?
ハイエースは車重が重く、フレーム構造も特殊なので、間違った場所にジャッキをかけると、フレームの変形やサスペンションの損傷、最悪の場合は車両の落下につながる危険な作業になります。
ただし、正しいジャッキポイントと基本的な注意点さえ押さえておけば、DIYでも安全にタイヤ交換や下回りの点検作業を行うことができます。
この記事では、トヨタの取扱説明書・修理書で確認した内容をベースに、ハイエース200系のフロントとリヤのジャッキポイント、リジットラック(ウマ)のかけ方、必要な工具、安全に作業するための具体的な手順をわかりやすく解説していきます。
ハイエースのジャッキアップに不安がある方は、ぜひ最後まで読んでください。
ハイエースのジャッキアップ作業で守るべき基本ルール
具体的なジャッキポイントに入る前に、まずはどの型式のハイエースでも共通して守るべき基本ルールを確認しておきます。
- 必ず平坦で硬い路面(コンクリート・アスファルト)で作業する
- エンジンは停止、シフトはP(MT車は1速またはR)に入れる
- 必ず輪止めを使って車両の動きを止める
- ジャッキは「持ち上げる道具」、リジットラック(ウマ)が車体を支える道具
- ジャッキアップ中は車の下に潜らない(ウマをかけ、安定を確認してから)
- 取扱説明書・修理書で自車両のジャッキポイントを確認する
このあたりは一見当たり前のようですが、実際の現場では守られていないケースも多く、ヒヤリとする場面を何度も見てきました。 ここをおろそかにすると、いくら正しいジャッキポイントを使っていても事故のリスクが上がってしまいます。
ハイエース200系ジャッキポイント【フロント側】場所とウマのかけ方
まずはフロント側のジャッキポイントから見ていきましょう。
フロントのウマをかける位置
ハイエースのフロント側のジャッキポイント(リジットラックを掛ける場所)は、前輪タイヤのすぐ後方のロッカーパネル部にあります。

ロッカーパネルにウマをかけれる様に補強されています。上の写真の丸印の部分がウマをかけるポイントです。
丸く中抜きされている部分にウマをかけたくなりますがジャッキポイントでありませんので注意してください。
ここにウマをかけるとフレームが変形したり最悪の場合は車両の落下につながる危険があります。
この位置は車載ジャッキを使ったときの指定ポイントにもなっているので、ウマをかける位置としてもわかりやすい基準になります。
フロントをジャッキアップするときの準備
フロント側をガレージジャッキで持ち上げる場合は、左右の後輪の後ろ側に輪止めをかけます。
ここでポイントになるのがサイドブレーキです。
多くの解説では「サイドブレーキをかける」と書いてありますが、トヨタの修理書ではフロントをジャッキアップするときはサイドブレーキを解除するように指示されています。
「サイドブレーキは必ずかける」と書いているサイトも多いですが、ハイエースの場合、修理書の手順ではフロントを上げるときは解除になっています。必ずご自身の車両の取扱説明書を確認してくださいね。
フロントのジャッキをかける位置
ガレージジャッキをハイエースのフロント側に用意し、フロントサスペンション支持メンバー(サスペンションクロスメンバー)にジャッキのお皿をかけます。
車の下を覗き込むと、サスペンションクロスメンバーのうちジャッキアップポイントにだけ斜めに凸凹が入っている部分があり、そこが目安になります。
FR車よりも4WD車の方がジャッキアップポイントの幅が広くなっていて、ジャッキのお皿をかけやすくなっていますが、位置の考え方は同じです。
フロントを持ち上げてウマをかけるまでの流れ
- 後輪の後ろ側に輪止めをかける
- サイドブレーキを解除する(修理書に従う)
- サスペンション支持メンバーのジャッキポイントにガレージジャッキをセットする
- ジャッキのタイヤが引っかからないよう確認してからリフトアップ
- フロントタイヤが十分に浮くまで持ち上げる
- 左右のジャッキポイントにリジットラック(ウマ)をセットする
リジットラックの脚は三脚になっていますが、左右のウマの脚の向きが互い違いになるようにセットしておくと、荷重がかかったときの倒れにくさが変わります。 脚の向きが同じだと、何かの拍子に同じ方向へ倒れやすくなるため注意が必要です。
ジャッキを下ろすときは、ハンドルをゆっくりと少しずつ回して車体を降ろします。 一気に回すと車体がガクンと落ちてしまうので、慎重に操作しましょう。
リジットラックにある程度荷重が乗ったところで、一度ジャッキアップを止め、ウマが正しくジャッキポイントにかかっているか・ガタつきがないかを必ず確認してください。 問題がなければ、ガレージジャッキを最後まで下ろします。
なお、ガレージジャッキで車体を持ち上げている最中は「しっかり上がっているように見えても」、最後まで下げ切ると実はタイヤが地面に接地していたということもあります。 見た目だけで判断せず、タイヤがきちんと浮いているかどうかも確認しましょう。
ハイエースのジャッキポイント【後ろ(リヤ)】デフ玉とウマの正しい位置
リヤのウマをかける位置
ハイエースのリヤジャッキアップポイント(ウマをかける位置)は、リヤタイヤの後方にあるリーフスプリングの後ろ側に設けられている、コの字状のジャッキアップポイントです。

ここはリジットラックをしっかりと受け止められるように補強されているので、ウマをかける位置として適切です。
ガレージジャッキをかける位置(リヤ)
リヤ側をまとめて持ち上げる場合、ガレージジャッキはデファレンシャルのデフ玉にジャッキのお皿をかけます。

このとき、デフ玉のドレンボルトにジャッキのお皿が当たらないように注意してください。
車の横から見て、車体の傾きが平行よりも少し後ろ側が高くなる位置までリフトアップし、リヤ側のウマをセットします。
リーフスプリングの付け根にはウマをかけない
リヤのウマをかける場所として、ついリーフスプリングの付け根にかけたくなりますが、取扱説明書ではNGとされています。

他のサイトでは「リーフスプリングの付け根にリジットラックを当てる」と書いている記事も見かけますが、ここにウマをかけてしまうとスプリングが変形する原因になります。 必ず既定のジャッキポイントにウマをかけるようにしてください。
とはいえ、見た目だけ見ると「ここにかけたくなるよね…」という位置ではあるので、無理に自己判断せず、取扱説明書や修理書の図をしっかり確認しておくのが安心です。
リヤ側のジャッキダウンの流れ
リヤ側もフロントと同様に、ウマをジャッキポイントにセットしたら、ガレージジャッキのダイヤルをゆっくりと回して車両を下げていきます。
ガレージジャッキが半荷重になったところで一度止め、ウマがしっかりとジャッキポイントに当たっているか、ガタつきがないかを確認します。 筆者はハンマーなどを使ってウマの足を軽く叩き、しっかり安定しているかをチェックしています。
問題がなければ、ガレージジャッキを最後までリフトダウンして外します。
クルマを降ろす際は手順が逆になりますが、リヤを先に下げたあと、フロント側をジャッキダウンする際には後輪のフロント側に輪止めをかけて作業してください。
ハイエースのジャッキポイントに関する注意点とコツ
ガレージジャッキと車載ジャッキでは使うポイントが違う
まず押さえておきたいのは、車載ジャッキ用のジャッキポイントと、ガレージジャッキで使うポイントは場合によって異なるということです。
一般的にガレージジャッキは、前輪左右をまとめて、あるいは後輪左右をまとめて持ち上げることができます。 一方、車載ジャッキは一輪のみを持ち上げるための構造になっています。
車載ジャッキを用いたタイヤ入れ替え方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
ナットはリフトアップ前に緩める
ハイエースをジャッキアップする目的のほとんどは、タイヤの脱着や入れ替えだと思います。 電動インパクトなどの特殊工具がない場合、ジャッキアップする前に外したいタイヤのナットを少しだけ緩めておく必要があります。
車載工具に入っているハブナットレンチを使い、タイヤのナットを反時計回りに180度ほど緩めます。 ナットは全部で6個あるので、対角線順に6個すべて軽く緩めておきましょう。
ジャッキアップしてタイヤが浮いた状態でナットを緩めるのは難しく、車が揺れて危険なので、忘れずに先に緩めておくのがポイントです。
リフトアップ時の注意点まとめ
- 平坦な場所で作業する
ガレージジャッキは、支持部が車体に当たると本体のローラーで移動する構造になっています。床が歪んでいたり、デコボコしていてジャッキがスムーズに動かないと、車の方が動いてしまい、思わぬ事故につながる可能性があります。 - ウマをかけるまでは車の下に潜らない
万が一ジャッキが外れた場合、車の下敷きになる危険があります。ウマをかけて車両がしっかり支持されるまでは、なるべく車の下には潜り込まないようにしましょう。タイヤを外した際は、外したタイヤを車両下に寝かせておくと、万が一ウマが外れても“つっかえ棒”になってくれるので安心です。
ハイエースのジャッキアップに必要な工具
| 必要工具一覧 | |
| ガレージジャッキ | 耐荷重3トン以上推奨 |
| リジットラック(ウマ) | 4個(前後平行に上げるなら) |
| 輪止め | 最低2つ |
ハイエースはグレードや仕様によっても変わりますが、車両重量が3トンを超える車両も存在します。そのため、ガレージジャッキは耐荷重3トン以上のものを選ぶのがおすすめです。
能力が低いジャッキだと、持ち上げるときのハンドル操作がかなり重くなり、作業も大変です。3トンクラスのジャッキであれば、比較的ラクに車体を持ち上げられます。
リジットラック(ウマ)も同様に耐荷重3トンのものを選びましょう。
種類はいくつかありますが、ラチェットタイプは高さ調整が簡単で、収納時もかさばらないので使いやすいです。
前後とも平行に持ち上げて下回り作業をする場合はウマが4つ必要ですが、タイヤの入れ替えなどフロントのみ・リヤのみを上げる場合は2つでも対応できます。
最後に必要なのが輪止めです。
クルマをガレージジャッキで持ち上げる際には、車両が勝手に動かないように確実に支持する必要があります。車載工具に入っている簡易的な輪止めでも構いませんが、専用品を用意しておくとより安心です。
ハイエースのジャッキポイントに関するよくある質問
Q. デフ以外の場所にジャッキをかけても大丈夫?
A. 取扱説明書や修理書に記載のない場所にジャッキをかけるのはおすすめしません。
見た目が丈夫そうでも、薄板部分や補強のない場所だとフレームが変形する可能性があります。
Q. 車載ジャッキだけで作業してもいい?
A. 応急作業(パンク時など)以外での使用は避けた方が安全です。
タイヤ交換や下回り作業をする場合は、ガレージジャッキ+リジットラック(ウマ)を必ず併用しましょう。
ハイエースのジャッキポイントとジャッキアップ作業のまとめ
クルマを自分でメンテナンスしようと考えたとき、ハイエースのジャッキアップ作業は避けて通れません。タイヤ交換や下回りの点検、ブレーキの残量確認など、ジャッキアップができればDIYでできる作業の幅は一気に広がります。
ただし、その分リスクも大きい作業です。まとめると、ハイエースのジャッキアップでは次の点をしっかり押さえておきましょう。
- 必ず平坦で硬い路面で作業する
- エンジン停止・シフトはP(MTは1速/R)
- 後輪や前輪に輪止めをかけてからジャッキアップする
- フロントはサスペンション支持メンバーにジャッキを当て、ロッカーパネルの補強部にウマをかける
- リヤはデフ玉にジャッキを当て、所定のジャッキポイントにウマをかける
- リーフスプリングの付け根にウマをかけない
- ジャッキはあくまで「持ち上げるための道具」、車体を支えるのはリジットラック
筆者自身、現場で「ジャッキをかける位置を間違えた」「ウマの位置が悪かった」ことで、ヒヤッとする光景を何度も目撃してきました。 場合によってはリジットラックがフロアに突き刺さったり、車が大きく傾いたり、少し条件が違えば大事故になっていたケースもあります。
逆に言えば、正しいポイントと手順さえ守れば、ハイエースのジャッキアップ作業は決して難しい作業ではありません。道具を揃えられる方は、ぜひ安全第一でチャレンジしてみてください。
タイヤ交換やタイヤの買い方については、こちらの記事も参考になると思います。
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