ハイエースの車高を上げる方法まとめ|3センチ以上は構造変更?車検・費用・注意点をやさしく解説
ハイエースの車高を上げたいと思う方はとても多いです。
段差で下回りを擦らないようにしたい。
アウトドアや車中泊でもう少し走破性を高めたい。
見た目をワイルドにしたい。
そんな理由でリフトアップを検討する方が増えています。
ですが、やり方によっては乗り心地が悪くなったり、車検に通らなくなったりすることもあります。
この記事では、ハイエースの車高を安全に上げる方法を、初めての人でも分かりやすくまとめました。
Contents
リフトアップ前に知っておきたい3つの基本ポイント
1. 車高を上げるとサスペンションの動きが変わる
ハイエースはフロントがトーションバー。
リアがリーフスプリングという構造になっています。
車高を上げると、それぞれの動作位置が変化し、乗り心地や安定性に次のような影響が出ます。
- ロールが大きくなる。
- 直進安定性が変化する。
- アライメントがズレやすくなる。
特にトーションバーは、ほんの少し調整するだけでも車高が大きく変化します。
上げすぎには注意が必要です。
2. 最低地上高90mmは必ず守る
車検では、車体のもっとも低い部分が90mm以上あることが必須です。
ハイエースの場合はデフ・メンバー・マフラーなどの下回りが基準になります。
リフトアップでは問題になりにくいものの、前後バランスが崩れると光軸などの車検項目に影響が出ることがあります。
3. リフトアップは「3センチまで」が基本の安全ライン
ハイエースのリフトアップは、3センチ(30mm)までに抑えるのがおすすめです。
理由は、車高が3センチ以上上がると、車検証の記載変更(構造変更)が必要になる場合があるためです。
構造変更とは、車体寸法が大きく変わった場合に必要な手続きで、通常の車検より書類や検査項目が増えます。
初めての方にとっては少しハードルが高い作業になります。
そのため、気軽にリフトアップしたい場合には3センチ以内に抑えるのが安心です。
もし3センチ以上リフトアップしたい場合は、車検と同じタイミングで行うと手続きが楽になります。
構造変更と継続検査を同日にまとめて行えるため、時間も手間も減らすことができます。
ハイエースの車高を上げる方法
ここから具体的なリフトアップ方法を紹介していきます。
用途や予算に合わせて最適な手段を選びましょう。
1. フロント車高の上げ方|トーションバー調整
もっとも手軽で費用のかからない方法が、トーションバー調整です。
調整ボルトを締め込むことで、バーのねじれ量が増え、車高が10〜30mmほど上がります。
メリット
- 工賃だけで調整できる。
- 微調整がしやすい。
- 前下がりを改善しやすい。
デメリット
- 締めすぎると突き上げが強くなる。
- バンプラバーに接触しやすくなる。
車中泊装備でフロントが沈みがちなハイエースと相性のいい調整です。
2. リア車高の上げ方|リフトアップブロック
リアは、リーフスプリングと車軸の間に「リフトアップブロック」を挟む方法が一般的です。
ブロックの厚みによって上がり幅を選べるため、見た目の調整もしやすいのが特徴です。
メリット
- 20〜40mmのリフトアップが簡単にできる。
- 乗り心地が大きく変わりにくい。
- 車中泊の荷物で沈み込みがちなリアを補正できる。
車中泊仕様でリアが下がりやすい方には、特におすすめの方法です。
3. 強化リーフ・ロングストロークショックで安定性アップ
荷物をよく積む方は、強化リーフスプリングの導入も効果的です。
沈み込みを抑えることができ、車高の維持にもつながります。
また、リフトアップ量に合わせてショックアブソーバーもロングストロークタイプに変えると、伸び側と縮み側の動きが自然になり、乗り心地の悪化を防げます。
常に車中泊装備を積んでいる方や、キャンプ道具が重い方には特に相性の良いカスタムです。
リフトアップ時に必ず気をつけたいポイント
リフトアップは見た目がカッコよくなるだけでなく、段差の走破性も上がるメリットがあります。
ですが、車高が変わることで負担がかかる場所もあるため、安全のために次のポイントは必ずチェックしておきましょう。
1. アライメント調整は絶対に必要です
車高を上げると、トー角やキャンバー角がズレやすくなります。
そのまま走ると、ハンドルが取られやすくなったり、タイヤの片減りが発生したりします。
とくにハイエースは前後重量差があり、足回りの変化が出やすい車種です。
リフトアップ後は必ずアライメント調整を行うようにしましょう。
2. ブレーキホースの張りに注意してください
リフトアップ量が大きくなるほど、ブレーキホースが伸びきった状態になり、走行中の伸縮に余裕がなくなります。
これは安全性に直結する部分です。
3センチ以内のリフトアップであれば問題ないことが多いですが、不安がある場合は延長ホースの導入も検討しましょう。
3. ドライブシャフトの角度をチェックしましょう
車高を上げすぎると、ドライブシャフトの角度が急になり、加速時や旋回時に振動が出ることがあります。
4WDモデルではとくに注意が必要です。
「3センチ以内」がおすすめと言われるのは、車検の理由だけでなく、こうした部品の負担を減らすためでもあります。
リフトアップにかかる費用の目安
リフトアップは方法によって費用が大きく異なります。
ここでは一般的な価格帯を紹介します。
- トーションバー調整:0円〜5,000円(工賃のみ)
- リフトアップブロック:パーツ代1〜2万円+工賃
- 強化リーフ:3〜7万円+工賃
- ロングストロークショック:3〜10万円
- アライメント調整:1〜2万円
本格的なリフトアップをする場合は、合計で5〜15万円ほどが相場になります。
街乗り中心であれば、フロントのトーションバー+リアのブロックだけでも十分効果が出ます。
どんな人にどのリフトアップ方法が合う?用途別ガイド
車中泊・キャンプが多い人
・前後ともに20〜30mm程度のライトリフトアップがおすすめです。
・段差に強くなり、走破性が上がります。
荷物を常に積む人(仕事・車中泊仕様)
・強化リーフ+少量リフトアップが最適です。
・沈み込みを抑えつつ車高を維持できます。
見た目重視のカスタム派
・リフトアップブロック+外径アップタイヤが相性抜群です。
・ただし外径アップは車検に影響する場合があるので注意が必要です。
3センチ以上のリフトアップをしたい場合の注意点
ハイエースを本格的に上げたいという方も多いですが、3センチ以上になると車検証の記載変更(構造変更)が必要になる場合があります。
構造変更は、車体寸法が変化した場合に行う正式な手続きで、通常の車検よりも検査内容が多く、提出書類も増えます。
そのため、3センチ以上リフトアップする場合は、車検と同じタイミングで行うのがおすすめです。
車検と構造変更を同日に完了できるため、手続きがスムーズになり、負担が大幅に減ります。
まとめ|ハイエースのリフトアップは「3センチ以内」が安心です
ハイエースのリフトアップは、見た目も走りもガラッと変わる楽しいカスタムです。
ですが、安全性と車検の問題を考えると、まずは3センチ以内のライトリフトアップから始めるのがもっとも安心です。
少し上げるだけでも段差が越えやすくなり、車中泊やキャンプも快適になります。
本格的なリフトアップをしたい場合は、車検と同時に構造変更を行うことで手間を減らすことができます。
あなたのハイエースが安全で快適に走れる一台になるよう、目的に合ったリフトアップを検討してみてください。

