ハイエースの車高を上げる・下げる方法まとめ｜車検・費用まで丁寧に解説

ハイエースを日常の仕事で使う人も、車中泊やキャンプで楽しむ人も、「車高をもう少し上げたい」「見た目のために下げたい」と思うことはよくあります。

ですが、車高調整はやり方を間違えると乗り心地が悪くなるだけでなく、車検に通らなくなることもあるため注意が必要です。

この記事では、ハイエースの車高を“上げる方法”と“下げる方法”の両方をわかりやすくまとめています。

車検基準、注意点、走りへの影響なども整理しているので、カスタム前の判断材料として役立ててください。

車高を調整する前に知っておきたい基本ポイント

ハイエースの車高を変える前に、まず理解しておくべきポイントがあります。

ここを押さえておけば、カスタムの失敗が大きく減ります。

車高を変えるとサスペンションの動きが変わる

ハイエースはフロントがトーションバー、リアがリーフスプリングという構造になっています。

車高を調整するとこれらの動作位置が変わり、乗り心地や安定性に影響が出ます。

• 車高を上げる → ロールが増える、直進安定性が変わる
• 車高を下げる → 突き上げが出やすい、底付きしやすい
• どちらも共通 → アライメントがズレやすい

特にトーションバーは、小さな調整でも車高が大きく変わるため、上げすぎ・下げすぎには注意が必要です。

最低地上高90mmは絶対に守る

車検に合格するには、クルマの一番低い部分が最低地上高90mm以上ある必要があります。

下がりやすい場所は以下の通りです。

• マフラー
• メンバー
• デフ
• アーム類

とくにローダウン時は、見た目以上に低い部分があるため、必ず実測して確認しましょう。

ハイエースの車高を上げる方法（リフトアップ）

車中泊やアウトドアが好きな方に人気のリフトアップ。

段差を越えやすくなり、見た目の力強さも増します。ここでは代表的なリフトアップ方法を紹介します。

1. フロント：トーションバー調整で上げる

最も手軽な方法がこのトーションバー調整です。

ボルトを締めることでバーのねじれ量が変わり、10〜30mmほどのリフトアップが可能です。

メリット

• 費用がほぼかからない
• 微調整しやすい
• 車中泊で前下がりになる問題の改善に効果的

デメリット

• 上げすぎると突き上げが強くなる
• ストローク不足になりやすい

2. リア：リフトアップブロック

リアのリフトアップには、リーフスプリングと車軸の間にリフトアップブロックを挟む方法が一般的です。

20〜40mmのリフトアップが簡単にできます。

車中泊の荷物でリアだけ沈み込む…という方にも相性が良い方法です。

3. 強化リーフや長旅向けショックを使う

車中泊装備など荷物が多いハイエースでは、強化リーフスプリングも効果的です。

沈み込みが減り、車高の維持がしやすくなります。

また、リフトアップ量に合わせてロングストロークショックを入れると、乗り心地が自然に近づきます。

リフトアップ時の注意点

• アライメント調整は必須
• ブレーキホースの張りすぎに注意
• 上げすぎるとドライブシャフトの角度が危険

無理のない範囲での調整が、安全性と快適性を保つポイントです。

続きではローダウン方法や車検ラインのチェックポイント、費用の目安をまとめていきます。

ハイエースの車高を下げる方法（ローダウン）

ここからは車高を下げるローダウンについて解説していきます。見た目をスタイリッシュにしたい方や、安定感のある走りにしたい方に人気のカスタムです。

1. フロント：トーションバー調整でローダウン

リフトアップと同じく、フロントのトーションバー調整で車高を下げることができます。

締め付けを緩めることで、10〜30mm程度のローダウンが可能です。

メリット

• 費用がかからない
• 軽いローダウンに最適

デメリット

• 下げすぎるとストローク不足になり、乗り心地が硬くなる
• バンプタッチが起きやすい

2. リア：ローダウンブロックを挟む

リア車高の調整で主流なのが、ローダウンブロックの使用です。

リーフと車軸の位置関係を変えることで、20〜40mmのダウン量が選べます。
見た目をスッキリさせたい方にとても人気のある方法です。

注意点

• 最低地上高90mmを絶対に下回らないこと
• 走行時にタイヤがフェンダーに干渉しないか確認

3. 車高調キット（ショック）を使ってローダウンする

本格的なローダウンをしたい場合は車高調キットが最もおすすめです。
ローダウンしてもストロークが確保しやすく、乗り心地と見た目を両立しやすいのが特徴です。

メリット

• 下げても乗り心地が悪化しにくい
• 減衰力調整で好みの硬さにできる
• 見た目の変化が大きい

デメリット

• パーツ代が高い
• 取り付け工賃も必要

ローダウン時の車検ポイント

ローダウンは車検に影響が出やすいカスタムです。

以下の基準を必ず確認しておくことが大切です。

• 最低地上高90mmを確保できているか
• ヘッドライトの高さが基準内か
• タイヤがフェンダーからはみ出していないか
• フェンダーとタイヤが走行時に干渉しないか

見た目だけで調整すると、車検時に再調整が必要になることがあります。

安全性も考慮して、控えめなローダウンから始めるのがおすすめです。

車高調整にかかる費用の目安

車高を調整する場合の費用は、方法によって大きく変わります。

一般的な目安は以下の通りです。

• トーションバー調整：0〜5,000円
• リフトアップ／ローダウンブロック：パーツ代1〜2万円＋工賃
• 車高調キット：7〜15万円（パーツ代＋工賃）
• アライメント調整：1〜2万円

特にアライメント調整は安全性に関わる非常に重要な作業なので、車高を変えた際には必ずセットで行うことをおすすめします。

どんな人にどの車高が合う？用途別のおすすめ

車中泊・キャンプ重視の人

・少しだけリフトアップが最適
・前下がり解消にも効果あり

街乗りが中心の人

・控えめなローダウンが快適
・段差での擦りにくさも確保できる

見た目重視のカスタム派

・車高調キットでしっかり落とす
・タイヤ・ホイールとの相性も重要

まとめ

ハイエースは車高を変えることで、見た目も走りも大きく変わるクルマです。

ですが、上げすぎ・下げすぎは乗り心地の悪化や車検不適合につながることがあります。

安全性と快適性を両立するためには、無理のない範囲で調整し、自分の用途に合った車高を選ぶことが大切です。

今回の記事が、あなたのハイエースをもっと快適で楽しい一台に仕上げる参考になれば嬉しいです。