2025年版】ハイエースのヘッドライト外し方を徹底解説|前期・後期の違いと外しやすいコツまで

こんにちは元整備士のブーブーです。

 

ハイエースのヘッドライトを外そうとすると、多くの人が最初につまずくのが「バンパーと一緒に外す必要があるの?」という疑問です。
実際、200系ハイエースは年式や型式によって構造がわずかに異なり、ネジ位置もやや複雑です。

この記事では、整備初心者でも迷わないように、写真なしでも理解できるほど丁寧に、手順を“順番通りに”説明しています。
さらに、後期型特有の注意点、割れやすいクリップの位置、養生のポイントまで含めてまとめました。

LEDバルブ交換や社外ヘッドライトへの交換前の基礎としても役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。


Contents

ハイエースのヘッドライトを外す前に知っておきたい基礎知識

最初に、外し方の前提として「200系ハイエースはバンパーを浮かせないとヘッドライトが外せない」という特徴があります。

・200系ハイエースは“バンパーを浮かせないとライトが外れない”構造

ボルトは見える場所にありますが、ヘッドライトの下部がバンパーにかぶっている”構造です。
そのため、ライトだけ引っ張っても抜けません。

外す順番は以下が基本になります。

  • ① グリルを外す
  • ② フロントバンパーを浮かせる(完全に外す必要なし)
  • ③ ヘッドライト本体のボルトを外す
  • ④ 下側のツメを折らないように手前へ引く

後期型(4型・5型・6型)でも構造は同じですが、クリップ強度が高く外れにくいため、無理に引っ張らないことが重要です。

・作業前に絶対にやっておくべき「養生」

多くの人がやりがちな失敗は、ライトの耳部分でバンパーやフェンダーを擦ってしまうことです。
特に黒色・パールは傷が目立ちます。

推奨の養生ポイント

  • バンパー上面
  • フェンダーの角
  • ヘッドライトの外周

マスキングテープ+タオルの二重構成がもっとも安全です。


【手順①】フロントグリルの外し方

最初に作業するのがフロントグリルです。
200系はどの型でも「上部クリップ4つ+下部ツメ」で固定されています。

・上部クリップの外し方

ボンネットを開けると、グリル上部にクリップが4つ並んでいます。
これは中心を持ち上げて引き抜くタイプです。

ポイント:樹脂が固い車両は、先にドライヤーで温めると割れ防止になります。

・下部ツメは“上方向”に抜く

下側は左右2カ所がバンパー側に差し込まれています。
ここを前方向に引こうとすると必ず折れます。

正しい外し方:

  • グリル下部の両端を持つ
  • 手前ではなく「上に持ち上げる」ようにする
  • ツメが抜けたら前へスライド

これでグリルが外れます。


【手順②】フロントバンパーを“浮かせて”ヘッドライトの逃げを作る

200系ハイエースのヘッドライトは、バンパーを3〜4cm浮かせるだけで外せます
完全にバンパーを取り外す必要はありません。

・バンパー固定ポイント(必ず外すもの)

  • ① バンパー上部の10mmボルト:左右で2本
  • ② フェンダー側のクリップ:左右1つずつ
  • ③ 下側のクリップ(車種により3〜5つ):前側だけでOK

この3種類を外すと、前面が“手で持てるほど浮く”状態になります。

・横方向の爪(特に割れやすい)

バンパーとフェンダーの接合部には、横方向へスライド固定された大きな爪があります。
ここは無理に前へ引くと折れます。

正しい外し方:

  • フェンダー側のクリップを先に外す
  • 指で軽く横方向へスライドして爪を外す
  • その後、前に“そっと”引く

※横爪は後期型になるほど固いので、左右からじわじわ力を加えるのが安全です。


【手順③】ヘッドライト本体のボルトを外す

バンパーが浮いてライト下部に手が入るようになれば、いよいよ本体を外します。

・200系ヘッドライトの固定ポイントは4カ所

基本構造はどの型も共通です。

  • ① 上部ボルト(10mm):1本
  • ② 内側ボルト(10mm):1本
  • ③ 下側ボルト(10mm):1本(バンパーの“下”)
  • ④ 下側の差し込みツメ:1つ

中でも注意が必要なのが「下側のツメ」です。
これは折れるとライトがガタつくため、力任せに引かず、車体前方向へまっすぐ引き抜きます。

コツ:片手でライト上部を支えながら、もう片手で下側を軽く前へ押すと抜けやすいです。


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ボルトをすべて外したら、いよいよヘッドライト本体を取り外します。
この工程でいちばん多いのが「ツメを折る」「フェンダーを擦る」という失敗です。

・必ず“前にまっすぐ”引く(斜め・上方向はNG)

ハイエースのヘッドライトは、上下・横どちらにもツメがあり、フェンダー側に軽く食い込むように固定されています。

斜めや上方向に引くと、ツメがフェンダー内側に引っかかり割れます。

正しい抜き方:

  • ① ライトの外側(フェンダー側)を手で軽く押さえる
  • ② ライト上部を軽く手前へ引く
  • ③ 下部のツメが抜けたら、全体を“前へまっすぐ”スライド

このとき、バンパーの浮きが足りないとライトが引っかかるので、下側に手を入れて軽く押し下げながら作業するとスムーズです。


【手順⑤】ライト裏側のコネクタを外す

ライトが前に数センチ動けば、裏側に手が入るようになります。

・取り外す主なコネクタ

  • ロービーム(HID or ハロゲン or LED)
  • ハイビーム
  • ウインカー
  • ポジション(車種により別体)

コネクタのロックは“上から押すだけのタイプ”がほとんどです。
年式が古い車両は固着しているので、マイナスドライバーで軽く押してロック解除します。

・固いコネクタを外すコツ

  • ドライヤーで軽く温める(樹脂が柔らかくなる)
  • ロック部分にCRCやシリコンスプレーを吹く
  • カプラーを“前後に揺らしながら”引く

無理に力を加えると内部のピンが折れるので、必ず左右に小さく揺すりながら外します。


【型式別】ハイエース(1型〜6型)ヘッドライト構造の違い

200系は1型〜6型まで存在し、ヘッドライト形状もかなり変化しています。
ただし脱着の基本構造はほぼ共通です。

・1型〜2型(〜2013年)

  • ボルト位置はシンプル
  • クリップの強度が弱く外しやすい
  • HID搭載車はバラスト位置に注意(下部固定)

・3型〜4型(2013〜2017年)

  • ロービームはほぼLED化
  • 裏側のコネクタ数が増える
  • 横方向の爪が固いため注意

・5型〜6型(2017年〜現行)

  • ライト形状が大型化し“フェンダーとの接触範囲が増えた”ため傷つけやすい
  • ツメが強固で、特に下側ツメが抜けにくい
  • LEDユニットが一体型で重量がある

後期型になるほど、慎重に“前へまっすぐ”引く動作が重要になります。


【よくあるトラブル①】ヘッドライトが全然抜けない

もっとも多い質問がこれです。

原因は下側ツメが噛み込んでいるためで、以下を試すと抜けます。

・正しい対処法

  • ① バンパーの浮きが足りていない → もう2cmほど浮かせる
  • ② ライト下側に指を入れて軽く押し下げる
  • ③ 上部を支えながら軽く前へ押し出す

前後・上下に無理に動かすとツメが割れるので、力の方向を“前だけ”に統一します。


【よくあるトラブル②】戻すときにズレてハマらない

脱着よりも難しいのが“戻す作業”です。

・ハマらない原因

  • 下側の差し込み位置がズレている
  • フェンダー側のツメが中途半端に引っかかっている
  • バンパー側が正しい“段差”に戻っていない

・正しい戻し方

  • ① ライトを装着位置の約5cm手前まで近づける
  • ② 下側ツメの穴を確認しながら“水平に”差し込む
  • ③ フェンダー側のツメを軽く押し込む
  • ④ その後に上部ボルトを仮止めする

ポイント:
完全に固定する前に一度ライトを軽く揺らすと、内部で自然に正しい位置へ収まります。


【バンパーを外さず作業する場合の注意点】

「完全に外さなくてもできる」と書きましたが、前期型でも後期型でも作業スペースの確保は必要です。

以下の2つは絶対に行ってください。

  • ・下側クリップは必ず外してバンパーを浮かせる
  • ・フェンダー側の横爪だけは確実に外しておく

これを怠ると、ライトがどれだけ引いても“根本が引っかかって”抜けません。


【関連】ヘッドライト交換と一緒にやるべきおすすめ作業

せっかくライトを外すなら、同時にやっておくと後悔しない作業を紹介します。

・LEDバルブへの交換

ハロゲン→LEDは見た目も明るさも劇的に変わります。
ハイエースはヘッドライト裏のスペースが広く、ほとんどの車種でポン付け可能です。

・ポジション球/ウインカー球のLED化

特に5型・6型はウインカーが明るい方が車両全体のデザインと馴染みます。

・レンズクリーニング

ライトを外しているタイミングは“黄ばみ取り”のベストチャンスです。

ライト下部やフェンダー側の黄ばみは、外さないとなかなか磨けません。


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【取り付け編】ヘッドライトを元に戻すときの確実な手順

ヘッドライト交換で一番多いミスは「戻すときにズレる」「片側だけ浮く」ことです。
取り外しよりも取り付けのほうがずっと難しいので、丁寧に説明します。

① 下側ツメを“先に合わせる”

ライトを5cmほど手前に置くようにして、車体側の差し込み穴を確認します。

  • ライトを持ち上げる角度を水平に保つ
  • 下側ツメの“向き”を必ず目視で確認する
  • 差し込むときは押すのではなく“置くように入れる”

ここを雑にやると、差し込み位置がズレてボルトが最後まで締まりません。

② フェンダー側のツメを押し込む

フェンダーとの接触部分は、手のひらで軽く押し込むイメージで装着します。
力をかけすぎるとフェンダー側が凹むので注意。

③ ボルトは「仮締め → 本締め」の順

締め付けの順番は以下がベストです。

  1. 上部ボルト(軽く締める)
  2. 内側ボルト(軽く締める)
  3. 下側ボルト(軽く締める)
  4. → 最後に全体を本締めする

一点だけを先に強く締めるとライト本体が“歪んだ状態”で固定され、隙間が出ます。

④ バンパーの爪を正確に戻す

バンパーの横爪は、正しく戻すと「カチッ」と音がします。

  • バンパー側を軽く持ち上げる
  • フェンダー側へ“水平”に押し込む
  • クリップを最後に戻す

たったこれだけで、バンパーのチリ(隙間)が純正並みに戻ります。


【社外ヘッドライトを取り付ける場合の注意点】

社外ライト(ヴァレンティ・イカリング系・フルLEDユニット)はデザイン性が高く人気ですが、取り付け時の注意点もあります。

① 純正より“わずかに大きい”製品が多い

社外ライトは、カットラインを出しやすくするために内部構造がのびる傾向があり、外側の耳部分が純正より大きいことがあります。

取り付けのコツ:

  • バンパーを純正より“1cm深く”押し下げてはめる
  • 左右のチリが均等になるよう微調整

② コネクタ形状が純正と異なることがある

  • カプラーオンのはずがハマらない
  • 配線の向きが逆になっている

この場合は付属のハーネスを必ず使用してください。

③ HID・LEDの冷却スペースに注意

高輝度LEDやファン付きバルブの場合、ライト裏側のスペースに干渉することがあります。

  • ファンの吸気口を塞がない位置に配線をまとめる
  • 配線の逃し部分を必ず確認する

【車検で落ちるケース】ヘッドライト交換後に注意するポイント

ヘッドライトを交換したあと、車検で落ちてしまうことがあります。

① カットラインが出ていない(光軸ズレ)

特に社外LEDユニットやHIDユニットで多発します。
光軸が高すぎると即アウトです。

対策:
壁に照らして左右のカットラインが揃っているか必ず確認。

② 色温度が高すぎる(8000K以上)

車検に通るのはだいたい6000Kまでです。
青すぎるライトはNGになります。

③ 明るさ不足(Lumens不足)

LEDバルブは格安品だと“暗すぎる”ケースも多いため注意。


【作業時間の目安】初心者でもどれくらいかかる?

  • ヘッドライト片側のみ:30〜50分
  • 両側:1時間〜1時間半
  • 社外ライト交換:1時間半〜2時間

初めての場合は必ず“時間に余裕のある日”に作業するのが安全です。


【まとめ】ハイエースのヘッドライト外しは“バンパーを浮かせる”のが最大のコツ

本記事のポイントを最後に整理します。

  • 200系ハイエースはバンパーを浮かせないとライトが抜けない
  • ツメは上下・横の3方向にあるので、必ず“前へまっすぐ”引く
  • 取り付けは下側ツメ → フェンダー側 → ボルト仮締め → 本締めの順
  • 社外ライトは純正より大きいため位置合わせが重要
  • 光軸調整と色温度は車検前に必ず確認

丁寧に作業すれば、初心者でもライト脱着は問題なくできます。
外すついでにLED化やクリーニングもやると、見た目と夜間視認性が一気に向上するのでおすすめです。


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