ハイエースの牽引フック位置はどこ?フロント・後ろの正しい取り付け方と注意点をわかりやすく解説

こんにちは元整備士のブーブーです。

ハイエースに乗っていて、「牽引フックってどこにあるんだろう?」「後ろ(リア)はどこにつけるの?」と疑問に思ったことはありませんか?

牽引フックは普段ほぼ使うことがないパーツですが、いざという時には命綱のような役割を果たします。
雪道でスタックしたり、ぬかるみにはまって動けなくなってしまった時などに救援車とつなぐために必要になるのが、この牽引フックです。

この記事では、ハイエースの牽引フックの場所(フロントの位置・後ろはどこにつけるか)や、正しい取り付け方、注意点をわかりやすく解説していきます。


ハイエースの牽引フックとは?どんな場面で使うの?

もし出先でクルマが動かなくなってしまったり、悪路などでスタック(タイヤが空転して走行できなくなってしまうこと)してしまったらどうしますか?

そんな時の救助方法のひとつが、救援車に車を牽引(引っ張ってもらう)してもらうことです。クルマ同士を強力なロープ(牽引ロープ)でつなぎ救援してもらいますが、そのときに必要になるのが牽引フックです。

クルマのフロントに牽引ロープを接続しますが、ハイエースのように2トン以上ある車を引っ張ると相当な力が加わります。
そのためロープはフレームなど頑丈な場所に接続する必要があります。

ハイエースの場合、「ハイエース 牽引フック 場所」というキーワードで検索されることも多いですが、フロントのフレームにロープをかけるための牽引フックを取り付けられるようになっています。


牽引ロープを使うときの基本ルール

牽引に使用する牽引ロープですが、使用にあたりいくつかルールがあります。
知らないと道路交通法違反になってしまう場合もあるので、かんたんに押さえておきましょう。

  • 対応している荷重の牽引ロープを使用すること。耐荷重5トンが一番安心して使用できます。
  • 牽引ロープの長さは伸び切った状態で5m以内であること。
  • 一辺30センチの白い布を牽引ロープに結びつけること。
  • 牽引の速度は30キロ以内で、高速道路は牽引走行不可。

ハイエースのような重量のあるクルマの場合、耐荷重5トン以上の牽引ロープを選んでおくと安心です。

Amazonや楽天でも比較的安く購入できます。


ハイエースの牽引フックの場所(フロント)と取り付け方

ここから本題の「ハイエース 牽引フック 場所(フロント)」の解説です。
まずはフロント側の牽引ポイントがどこにあるのか、順番に見ていきます。

フロントバンパーの左右にある“正方形のメクラ”が目印

ハイエースの場合、フロントバンパーカバーの左右、フォグランプの少し内側に正方形のメクラ(カバー)があります。

このメクラカバーを外すと、中に牽引フックを取り付けるためのネジ穴が現れます。ここが純正の牽引用ポイントです。

牽引フックは車載工具の中に入っている

ハイエースの牽引フックは、最初から車体に付いているわけではありません。

車載工具の中にリング付きボルト状の牽引フックが収納されています。

ハイエースの車載工具はグレードによって収納場所が異なります。

  • DXグレード:助手席のスライドドアを開けたステップ前方のカバーを外すと、車載ジャッキと一緒に車載工具が収納されています。
  • スーパーGL:セカンドシートの裏側に車載工具が収納されています。

車載工具を開けると、

  • ジャッキハンドル
  • ハブナットレンチ
  • 輪止め2つ
  • 牽引フック

などが一式入っています。牽引フックの形状はリング付きのボルトで、ボルトの直径は20ミリほどあり、かなり強度があります。

牽引フックの取り付け方

ハイエースのフロントバンパーのメクラカバーを外すと、牽引フックを取り付けられるネジ穴が出てきます。

取り付け手順は次のとおりです。

  1. 車載工具から牽引フックを取り出す。
  2. フロントバンパーの正方形メクラカバーを外し、ネジ穴を確認する。
  3. 牽引フックを時計回りに回転させて手でねじ込む
  4. 手で締められなくなったら、牽引フックの輪にレンチを差し込み増し締めする。
  5. ガタつきがないか確認し、しっかり固定できていれば準備完了。

牽引フックは左右どちらにつけても大丈夫ですが、救援車とロープの位置関係が対角になるように取り付けるのがポイントです。

例えば救援車の右後ろにロープが付いているのであれば、ハイエースは左前側のフロント牽引フックにロープを取り付けると、ロープが斜めにならず真っすぐ牽引しやすくなります。


ハイエースの牽引フック後ろはどこの場所にあるの?

次に「ハイエース 牽引フック 後ろ 場所」「ハイエース 牽引フック 後ろ どこ?」という疑問についてです。

基本的に自動車は万が一の時のために牽引される為の装置が付いていますが、ほとんどの自動車には別の車を牽引するための装置は搭載されていません。

例えば牽引できる車としては、RV車などが挙げられます。

トヨタ車ですとランドクルーザーやハイラックスなどですね。

ハイエースも大きな車で一見牽引出来そうですが、実は牽引するクルマには向いていません。

とはいえ、やむなく牽引する必要がある場合もあります。
その場合は、ハイエースの後ろタイヤのサスペンション部分にあるリーフスプリングとフレームを支えるシャックルに牽引ロープをかけて牽引します。

リヤのシャックルは、リーフスプリングの前後についている重要なパーツです。
牽引に使用する場合は、リーフスプリングの後ろ側のシャックルに牽引ロープをかけて使用します。

以下のような牽引フックの掛け方は危ないので気をつけてください。

ハイエースは「救援してもらう」のは問題ないが「救援する」のは控えた方が良い

ここが大事なポイントですが、ハイエースは構造的に牽引される側として使うことは問題ないものの、他のクルマを牽引する車としては向いていないと考えた方が安全です。

リアには純正牽引フックがなく、「リーフスプリングのシャックルを使う」というのもあくまで緊急時の方法です。

本格的な牽引車として使うことはおすすめできません。


リーフスプリングのシャックルに掛けるときの注意点

リーフスプリングのシャックルに牽引ロープをかけるときには、いくつか注意点があります。

ここはあなたのハイエースを守るうえで特に大切な部分です。

トヨタの説明書で指定されている位置ではありますが、実際にリーフスプリングのシャックルに牽引ロープをかけると、次の2つの問題が発生する可能性があります。

  • スプリングで収縮する部分なので、牽引ロープが噛み込んでしまう可能性がある。
  • 救援する際のハイエースの体勢によっては、リヤのバンパーカバーに牽引ロープが接触してしまう可能性がある。

特に車高が下がっているクルマは、ロープとバンパーの距離が近くなるため接触する可能性が高いです。

そのため、どうしてもリア側から牽引しなければならない場合は、

  • ロープがシャックル部分に食い込まないよう、状況をこまめに確認する
  • バンパーに当たらないよう、救援車の位置やロープの角度を調整する

といった点に注意しながら作業してください。


ハイエースの牽引で気をつけたいこととロードサービスのすすめ

牽引は救援車も被災車も運転の技術が求められる作業です。

特に、助けてもらう自動車のエンジンがかからない場合は、

  • パワステが効かずハンドル操作が重い
  • ブレーキのアシストが効かずブレーキも重たい

といった状態になります。

ぬかるみから助けてもらうなどの「一時的な救援」であれば牽引ロープを使うのも一つの手ですが、公道を長距離牽引して走行するのは、運転技術と慣れが必要です。

無理をすると、救援車側も被災車側も大きな事故につながる可能性がありますので、少しでも不安がある場合は素直にロードサービスの利用をおすすめします。


まとめ|ハイエースの牽引フック場所と後ろの掛け方

最後に、ハイエースの牽引フックと後ろ側の掛け方についてポイントをまとめます。

  • ハイエースの牽引フックは車載工具の中に収納されている。
  • DXグレードは助手席スライドドアを開けたスカッフプレートのカバー内、スーパーGLはセカンドシート裏に車載工具が収納。
  • フロントバンパーのフォグランプの少し内側にある正方形のメクラを外すと牽引フック取り付け用のネジ穴が出てくる。
  • 救援車の牽引フックの取り付け位置に応じて、ハイエースの牽引フックは対角になるように取り付ける
  • ハイエースは牽引する車には向いていない。やむなく牽引する際は、リヤのリーフスプリングのシャックル部に牽引ロープをかけて救援する。
  • 牽引ロープは耐荷重5トン以上のものがおすすめ。長さは5m以内、一辺30センチの白い布を結び、速度は30キロ以内・高速道路は利用禁止。

また、助けてもらうクルマのエンジンがかからない場合は、ハンドルやブレーキが重くなるため、無理な牽引は禁物です。

あくまで「ぬかるみから少し出す」など一時的な救援にとどめ、長距離の牽引はロードサービスを利用することをおすすめします。

ハイエースは大きくて頼もしいクルマですが、構造的には牽引用の車種ではありません。救援してもらうのはOK、救援車として使うのは控えた方が安心という前提を覚えておくとトラブルを防げます。

いざという時の備えとして、牽引フックの場所や取り付け方を一度確認しておくと安心です。


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