【知らないと車検NG!?】タイヤのXLエクストラロードとLIロードインデックスを徹底解説

こんにちは、ブロガーのブーブーです。
今回は、意外と知られていない「タイヤの保安基準」について、特にロードインデックス(LI)と負荷能力の関係をやさしく解説します。

車検やタイヤ交換の現場でも、サイズ選びや空気圧の設定を間違えて「保安基準不適合」となるケースが少なくありません。

この記事を読めば、タイヤ選びで失敗しないための基本と注意点がしっかり理解できます。


第1章:ロードインデックス(LI)とは?タイヤが支えられる「重さ」の基準

ロードインデックス(LI)とは、1本のタイヤが支えられる最大負荷能力(重さ)を数値で表したものです。
たとえば「225/55R19 103H」と表記されている場合、最後の「103」がLIです。これは「1本あたり800kgまで支えられる」ことを意味します。

LIが低すぎるとどうなる?

  • タイヤ内部が過負荷になりバーストやパンクのリスクが高まる
  • ハンドリング性能が低下する
  • タイヤ寿命が短くなる

このため、LIが純正より低いタイヤを装着すると保安基準不適合になります。

見た目や価格だけで選ばず、必ず純正と同等以上のLIを確認しましょう。


第2章:タイヤ規格の違いとXL(エクストラロード)規格の考え方

タイヤには国ごとに規格が存在します。主な規格は以下の3つです。

規格名 地域 組織名
JATMA 日本 日本自動車タイヤ協会
ETRTO ヨーロッパ 欧州タイヤリム技術機構
TRA アメリカ 米国タイヤリム協会

現在は、ETRTO(ヨーロッパ規格)が国際標準として主流になりつつあります。

STD(スタンダード)とXL(エクストラロード)の違い

ETRTOでは、タイヤの構造により2つのタイプに分かれます。

  • STD(スタンダード)規格:一般的な乗用車向け
  • XL(エクストラロード)またはRF(レインフォースド):内部構造を強化し、高い負荷能力を発揮

例として「215/45R17」サイズでは以下の違いがあります。

規格 LI 負荷能力(1本)
STD 87 約545kg
XL 91 約615kg

同じサイズでもXL規格の方が約70kg多く支えられるのです。
SUVやミニバンなど重量のある車にはXL規格が多く採用されています。


第3章:XLタイヤ装着時の空気圧設定とインチアップの注意点

XLタイヤは内部構造が強いため、高めの空気圧で初めて本来の性能を発揮します。

同サイズでXLタイヤを装着する場合

例:純正が「215/45R17 87W(STD)」、空気圧210kPaの場合
同サイズの「215/45R17 91W XL」を装着するなら、230kPa程度に上げる必要があります。

インチアップしてXLタイヤを装着する場合

例:純正が「195/65R15 91H」、空気圧230kPa
→「215/45R17 91W XL」に変更する場合、約280kPaまで空気圧を上げて同等の負荷能力を確保します。

ポイント:XLタイヤの指定空気圧はSTDより10〜50kPaほど高いことが多く、メーカー指定の冷間時圧力を基準に調整してください。


第4章:負荷能力と保安基準の確認方法

道路運送車両の保安基準第9条(走行装置)では以下のように規定されています。

「空気入りゴムタイヤに加わる荷重は、そのタイヤの負荷能力以下であること。」

確認の手順

  1. 各メーカーの資料で車両総重量時の軸重を確認(メーカー資料を使用)
  2. 軸重をタイヤ本数で割り、1輪あたりの荷重を算出
  3. タイヤのLI負荷能力と比較

例:
225/55R19 103H XL(LI103=800kg)
車両総重量時の輪荷重=615kg
800kg > 615kgで保安基準適合

注意ポイント

  • 純正がXLなら交換時も同等以上のLIを選ぶ
  • ドア内側のタイヤラベルを確認し、LIが下回らないかチェック
  • 「サイズが同じだからOK」は危険。LIと空気圧をセットで確認

第5章:ホイール・タイヤ溝・LTタイヤ装着に関する補足

タイヤ溝の深さ

滑り止め溝の深さは1.6mm以上必要です。
スリップサインが出ている場合はもちろん、1.7mmなど基準ギリギリでも「不適合のおそれあり」とされ、車検が通らない場合があります。

ホイールのJWLマーク

  • JWLマーク:乗用車用(総重量3.5t以下、最大積載量500kg以下)
  • JWL-Tマーク:トラック・バンなど貨物車用

また、「引っ張りタイヤ」(適用リム幅を超えた装着)は走行安全性を損なうため、保安基準不適合と判断されます。

乗用車用タイヤと貨物用タイヤの互換性

乗用車用(LT表記なし)を貨物車に、または貨物用(LT)を乗用車に装着しても、LIが輪荷重を上回っていれば装着可能です。

例:プロボックスHV(6AE-NHP160)
純正:155/80R14 88/86N LT
スタッドレス:185/60R15 84Q
空気圧:240kPa
輪荷重:430kg
→ 負荷能力(LI84=500kg)>430kgで保安基準適合。


まとめ:タイヤ選びの“数字”が安全を守る

タイヤは見た目や価格だけで選んでしまいがちですが、LIや空気圧といった数字こそ安全の要です。

  • LI(ロードインデックス)は車の安全を支える基準
  • XLタイヤは空気圧を正しく設定して性能を発揮
  • 純正のLIと空気圧表示を必ず確認する

この3つを守るだけで、車検も安心、走行時の安定感も格段に違います。
もしタイヤ交換で迷ったら、整備士やタイヤ専門店に「負荷能力が足りているか」を確認してもらいましょう。

ブーブーの一言アドバイス:
「タイヤは車の靴」とよく言います。
靴底がすり減っていたり、サイズが合わなければケガをするのと同じです。
見た目のドレスアップも大事ですが、数字で安全を確かめるのが本当のカッコよさですよ。

 

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